以前、Moto G 2016 年最下位モデル「Moto G4 Play」XT1602(ES(スペイン)/India(インド)モデル)で QPST/QXDM を利用して LTE Band19 に対応させた記事を書きました。この「Moto G4 Play」は販売される国や地域によって、型番やスペックが変わり、XT1602 以外の機種で QPST/QXDM を利用して WCDMA Band6/LTE Band19 に対応させることができるのかの確認をしたので、改めて記事にする。
Moto G4 Play 型番
下記の5機種が 「Moto G4 Play」SIMフリースマートフォントして各国で販売されている。
- XT1607 :北米モデル
- シングルSIM/RAM:2GB
-
CDMA (850, 1900 MHz) GSM / GPRS / EDGE (850, 900, 1800, 1900 MHz)
UMTS / HSPA+ (850, 900, 1700, 1900, 2100 MHz)
4G LTE (B1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 12, 13, 17, 25, 26, 41) - XT1604 :EUモデル
- シングルSIM/RAM:2GB/NFC非搭載
-
GSM/GPRS/EDGE (850, 900, 1800, 1900 MHz)
UMTS / HSPA+ (850, 900, 1900, 2100 MHz)
4G LTE (B1, 3, 5, 7, 8, 20, 28) - XT1604 :GB(イギリス)モデル
- シングルSIM/RAM:1GB/NFC搭載
-
GSM/GPRS/EDGE (850, 900, 1800, 1900 MHz)
UMTS / HSPA+ (850, 900, 1900, 2100 MHz)
4G LTE (B1, 3, 5, 7, 8, 20, 28) - XT1601 :Mexco(メキシコ)モデル
- デュアルSIM/RAM:2GB
-
UMTS / HSPA+ (850, 900, 1700, 1900, 2100 MHz)
4G LTE (B2, 3, 4, 5, 7, 12, 17, 28)
GSM (850, 900, 1800, 1900) - XT1602 :ES(スペイン)/India(インド)モデル
- デュアルSIM/RAM:2GB
-
GSM/GPRS/EDGE (850, 900, 1800, 1900 MHz)
UMTS/HSPA+ (850, 900, 1900, 2100 MHz)
4G LTE (B1, 3, 5, 7, 8, 20, 28, 40)
デュアルSIM機はXT1601/XT1062の二機種、シングルSIMモデルは、XT1607とXT1064となる。注意が必要なのは、XT1604 には、NFC対応の1GB RAMモデルと、NFC非対応の2GB RAMモデルとが販売されている、購入希望の機種がどちらになるのかの詳細確認が必要です。
Sponsored linksLTE Bnad19/WCDMA Band6 機種別対応可否
LTE Band19 対応可否判定は、「Moto G4 Play XT1602:LTE Band 19 対応化」で使用した、rfnvファイルを使用して、「6828/6829行目」をQXDMにて編集して、Docomo LTE Band19エリアで動作確認し、LTEで通信できたかの確認となります。
WCDMA Band6 対応可否判定は、WCDMA Band6 エリア内でPCを利用し、QXDMにて「946/1877行目」を編集し通信可能となったかの確認
XT1607 :北米モデル
- LTE Band 19
- 対応不可
- WCDMA Band 6
- 対応可
1877行目:562950069305735 →1153484454810370439
946行目:0xBFFF →0x0EE8
LTE Band19対応不可。このXT1607は、唯一 CDMA2000 と LTE Band41(AXGP) に対応しており、AU が提供している3G回線=CDMA2000 の周波数帯域で通話可能。AU LTE 網利用不可。動作未検証ですが、Softbank SIM であれば LTE Band 41 で通信が出来るかもしれません。
※AU 3G回線で待ちうけすると、通話やWi-Fi経由でのインターネット通信を利用していないにもかかわらず1日でバッテリーがなくなります、AU 3G回線で通話待ち受けとして「XT607」を利用することのメリットなし。下の画像はCDMA2000で通話をしたときのスクリーンショットです。「1X」の表記がアンテナアイコンの隣に表示されます。
Sponsored linksXT1604 :EUモデル
- LTE Band 19
- 対応不可
- WCDMA Band 6
- 対応可
1877行目:562950035734912 →562950169952640
946行目:0xBFFF →0x0CE8
LTE Band19対応不可。上記編集を加えると、WCDMA Band 6 プラスエリアでの通信は可能となります。ただし、4Gエリアから、FOMAプラスエリア内に入ってからの「4G」⇒「H」への切り替わりの間に電波がゼロとなる時間が数秒間発生する。4G⇒3Gへの切り替わりスムーズに行えない状態となる。
XT1604 :GB(イギリス)モデル
- LTE Band 19
- 対応不可
- WCDMA Band 6
- 対応可
1877行目:562950035734912 →562950169952640
946行目:0xBFFF →0x0CE8
上記、EUモデルと違い、残念ながら1GB RAM のデバイスとなる。LTE Band19対応不可。WCDMA Band6 プラスエリアでの通信は可能となります。ただし、EU版同様、4G⇒3Gへの切り替わりスムーズに行えない状態となる。
XT1601 :Mexco(メキシコ)モデル
- LTE Band 19
- 不明
- WCDMA Band 6
- 不明
入手困難なため動作未確認となります。あしからず。
XT1602 :ES(スペイン)/India(インド)モデル
- LTE Band 19
- 対応可
- WCDMA Band 6
- 対応可
LTE Band 19/WCDMA Band 6 問題なく通信可能となる。
対応化作業については、「Moto G4 Play XT1602:LTE Band 19 対応化」を参照願います。
まとめ
XT1607・XT1604ともに、LTE Band 19 に対応できない結果となった。対応できた機種と、できなかった機種の違いは、シングルSIMタイプかデュアルSIMタイプかになる。
前回は、移植先と同じSOCのデバイスから、LTE Band19関連のrfnvファイルを抜き取り、移植先へ移植しQXDMで1877と6828行目を適宜修正すれば、LTE Band19 非対応デバイスでも対応可能となる可能性が高い旨記載した。しかしながら、今回の結果を踏まえ、前回対応化に成功した際に使用した、rfnvファイル は「ZenFone 2 Laser デュアルSIMタイプ」のものであった、同じSOCであっても、上記作業をしても、SIMスロット数が同じでないと希望する LTE Band を追加することはできないのではないかと推測する。
可能性としては、XT1604やXT1607は、Snapdragon 410 シングルSIMタイプかつ LTE Band 19に対応したデバイスからLTE Band19関連のrfnvファイルを抜き取り、移植するとLTE Band 19で通信が出来るかもしれない。
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