先日、LTE Band18/19 の対応化作業を行った「 海外版 SIMフリースマートフォン Moto G6 Play XT1922-3 」ですが、VOLTE が利用できない状態です。国内版「Moto G6 Play」は問題なくVOLTEが利用できるのですが、海外版は利用できません、理由は不明です。
「VOLTE」が利用できるように手を加えることができたので記事にいたします。今のところ問題なく動作していますが、何かしら不具合が起きる可能性はございます。あしからず。
目次
注意事項
以下、作業は「 海外版 Moto G6 Play XT1922-3 」を対象とする作業です、それ以外の端末で作業はしないようにお願いいたします。また同作業を行う場合は、端末を破損させる可能性があります。十二分にリスクを理解した上で作業を行いましょう。
国内版と海外版に VOLTE SIM を挿した時の違い
「VOLTE」SIM を挿したときの動作が、国内版と海外版とで違います。動作確認SIMは、AU系のMVNO VoLTE SIMを使用します。
- 動作確認SIM:AU系 MVNO VoLTE SIM
国内版 Moto G6 Play[XT1922-1]
国内版にさしてみると、画像赤枠で囲んでいる部分「電話マークと4G」がくっついたアイコン「VoLTE」アイコンが表示されています。この表示は SIM を挿してからすぐに表示されます。
海外版 Moto G6 Play[XT1922-3]
先日、LTE Band 18/19 に対応させた記事でも記載いたしましたが、モバイルネットワーク設定を、4G(推奨)から「4G only」 に変更しないとでないと4G通信ができません。当然 VOLTE では通話できません。
国内版のように「電話マークと4G」がくっついたアイコンは表示されません。
VoLTE対応化作業
上記記載のように海外版の場合は、VoLTE SIM を挿しても正常に動作しません。その部分を以下作業で正常に動作するようにします。他に対応方法があるかもしれませんが、作業後に VoLTE が利用できる状態になるため、間違いではないようです。その他のデバイスでも、動作する可能性もあるかもしれませんが、動作未確認です。あくまでも「Moto G6 Play XT1922-3」が対象の作業です。一つの参考としていただけると幸いです。
作業に必要なツールとファイル群
作業を実行するにあたり必要なツールとファイルがありますので、以下参照願います。※先日「海外版 Moto G6 Play XT1922-3 LTE band 18/19 対応化作業」で作業したツールと全く同じツールを使用します。
作業に至った経緯
国内版、海外版ともにハードは同じであるにもかかわらず、同じSIMを挿してみて国内版と海外版とで動作が違ったため、何かしら端末側で操作をすれば対応できるのではないかと疑念を持ちました。
端末側での操作については以下を検討しました。
- Root権限を取得してBuild.propを修正する方法
- QPST EFS Explorer で抜き取った国内版XT1922-1 のファイルと海外版XT1922-3との差分を確認し相違/不足しているファイル群を移植する方法
前者は、Bootloader Unlock して、Root権限を取得する必要が出てくるので少し面倒です、また確実に対応するかも不明だったため、少しだけリスクの低い後者の方法で、対応させるよう検討した。結果後者で「VoLTE」対応可能となりました。
Sponsored linksims / mmode ディレクトリ内のファイルを移植
後者、QPST EFS Explorer で「国内版 XT1922-1」と「海外版 XT1922-3」との差分を確認し移植する作業ですが、たくさんあるディレクトリのなかから対象を探し出すのですが、どのディレクトリを対象とするかを以下を参考にして「ims」と「mmmode」のディレクトリを移植することを検討し作業をすすめてみた。
VoLTE は「IMS(IP Multimedia Subsystem)」と EPC機能連携で動作
よくお世話になっているサイト「xda」「ここ」と「ここ」に「ims」の記載がありました。VoLTE と ims という文言だけですが、VoLTEとの関係性があることがわかります。また下記ドコモのが作成したドキュメント資料にもその一文が記載されています。ims が VoLTE に深く関連していることが確認できます。よって、移植対象として、 nv/item_files/ims ディレクトリをまずは選択。
参考:LTEにおける音声(VoLTE) – NTTドコモ P52 VoLTE実現のIMS/EPC 機能連携 IMS(IP Multimedia Subsystem)
「Call」関連のファイル群を含んだディレクトリが「mmode」ディレクトリ
上記、ims ディレクトリ移植だけでは対応できなかったため、それ以外で何かVoLTEと関連性のあるファイル群はないか確認してみたところ、nv/item_files/modem/mmode というディレクトリ内に「LTE」「Call」関連のファイルが格納されていることが確認できたため、二つ目の移植ディレクトリ対象を「mmode」ディレクトリとしました。
QPST EFS Explorer
上記二つのディレクトリの中にあるファイル群を「XT1922-1」と「XT1922-3」とから抜き出し、PCソフト「Winmerge」というソフトを利用して差分ファイルである「merge.zip」内のファイルを「EFS Explorer」から各ディレクトリに移植していきます。
QXDM と QPSTを起動して「EFS Explorer」を起動させます
QXDM と QPSTとを起動させたら、Windows画面右下「タスクバーに表示されている地球儀アイコン」を右クリックして「EFS Explorer」を選択
別窓 Phone Selection がポップアップされるので「MSM8994」を選択
「MSM8994」を選択し「OK」を押下します。
「EFS Explorer」が起動したら、ims ディレクトリを選択し移植を開始します
「EFS Explorer」が起動したら、nv/item_files/ims ディレクトリ を探して選択すると「ims」内のファイルが読み込まれます。
読み込みが完了したら、先ほどダウンロードしてきた「merge.zip」を解凍してできた「ims」フォルダ内のファイルをすべて選択し、下の画像のように「EFS Explorer」にドラッグします。上書きしてよいかの確認を迫られるのでチェックボックスにチェックを入れて「YES」を押下します。
ファイルの移植が開始されます
続いて「mmode」ディレクトリの移植作業です
「ims」ファイルの移植が完了したら、「nv/item_files/modem/mmode」ディレクトリを選択します。先ほど同様にダウンロードして解凍された「mmode」フォルダ内のファイルをすべて選択して、下の画像のように「EFS Explorer」にドラッグします。ims 移植時と同様に、上書きしてよいかの確認を迫られるのでチェックボックスにチェックを入れて「YES」を押下します。
上記作業が完了したら、端末を再起動させます。
作業完了後
端末を再起動させたら、「電話マークと4G」がくっついたアイコン「VoLTE」アイコンが表示されています。
早速電話をしてみると、問題なく呼び出しをしていることが確認できました。
「4G LTE拡張モード」が表示されます。また4G (only mode)ではなく、4G (推奨)で4G通信が可能になっています。
NTT Docomo 用 VoLTE SIM も動作するようになります。
Sponsored links「ims」ディレクトリだけでの移植で足りないと判断した理由
因みにですが、「ims」ディレクトリだけの移植では足りないと判断した理由ですが、以下画像のように、4G (推奨) で通信ができなかったことが、その理由です。しかし、「ims」ディレクトリを移植することで、移植前になかった「4G LTE拡張モード」がモバイルネットワーク設定内に表示されるようになります。
国内版よりも安く手に入れることができそうです。
Moto G6 Play XTq922-3:Motorola Moto G6 Play, Smartphone da 32 GB, 3 GB RAM, Dual SIM
以降 Motorola one で対応できないか確認してみたいと思います。
先日購入した、motorola one で対応できないもの確認してみたいと思います。
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